FXの5分足手法|移動平均線の設定とトレードへの応用

このブログでご紹介しているスキャルピングの応用編とも言うべき方法の1つに、デイトレード編があります。スキャルピングでは1分足がメインでしたが、ここでは5分足を利用してトレードする手法の基本編をご紹介します。

5分足を利用しても、スキャルピングのような短い時間で決着する場合もありますし、あるいは、数時間に及ぶデイトレードのような取引にもなります。

5分足トレードの概要

この5分足によるトレード手法は、1分足のスキャルピング手法と同様に、マルチタイムフレームによるトレンドフォロー型のトレードになります。

相場の状況判断は、上位足である4時間足と1時間足に移動平均線を設定して行う、とても簡単な方法です。

マルチタイムフレーム


マルチタイムフレームは、複数の時間軸を利用して行うチャート分析の方法です。一般的には、以下の構成で行われます。

1.トレードに使う時間軸(短期足)
2.1より上位の時間軸(中期足)
3.2より上位の時間軸(長期足)

相場の大きな流れに沿って、同じ方向でトレードすることになりますので『トレンドフォロー型』の取引に向いている手法と言えます。

では、トレード方法の概要を解説していきます。

利用する時間足

4時間足、1時間足、5分足を利用します。各時間軸での役割は以下の通りです。

  1. 4時間足:相場の方向性を判断します
  2. 1時間足:相場の方向性を判断します
  3. 5分足: 実際のトレードに利用します

利用するインジケーター

インジケーターの種類

  • 移動平均線(SMA、EMA)
  • zigzag
  • ボリンジャーバンド(±3σ)
  • MACD
  • RSI

主役はあくまでもローソク足ですが、インジケーターを補助的に利用することで、視覚的な判断が容易に行えます。

配役に例えるなら、移動平均線とMACDが助演、ZigZagとボリンジャーバンドが脇役といったところです。

RSIの利用方法については後述しますが、主にエントリーを成行で行う場合に利用します。

移動平均線の設定数値

5分足トレードでは、各時間軸における移動平均線の設定値を、以降のように設定して表示させます。このやり方は、一般的に用いられている『マルチタイムフレーム』と同じ方法です。

相場環境を確認するために4時間足と1時間足を用いますが、これらのチャートに二つ上の上位足の移動平均線(20SMA)を表示させます。

4時間足

  • 20SMA:4時間足のミドルライン
  • 120SMA:日足相当のミドルライン
  • 600SMA:週足相当のミドルライン(日足5本換算)

1時間足

  • 20SMA:1時間足のミドルライン
  • 80SMA:4時間足相当のミドルライン
  • 480SMA:日足相当のミドルライン

5分足

1時間足と同じSMAラインを設定します。

トレードの手順

step
1
取引する通貨ペアを探す

①最初に任意の通貨ペアの4時間足で、現在の移動平均線(SMA) の並び順とMACDの状況を確認します。

4時間のSMAラインの並び


・買いを検討する場合:下から600SMA、120SMA、20SMAであればOK。
・売りを検討する場合:上から600SMA、120SMA、20SMAであればOK。

4時間足のMACDの状況


・買いを検討する場合:MACDがゼロライン上にあり、かつゴールデンクロスしている。
・売りを検討する場合:MACDがゼロライン下にあり、かつデッドクロスしている。

下図は、売りを検討する場合の4時間足の状況です。

インジケーターの設定は少々手間ですが、移動平均線の並びをチェックするだけですので、パット見て分かりやすいです。

②次に、①で選択した通貨ペアの1時間足で、現在の移動平均線(SMA)とMACDの状況を確認します。

1時間のSMAラインの並び


・買いを検討する場合:下から480SMA、80SMA、20SMAであればOK。
・売りを検討する場合:上から480SMA、80SMA、20SMAであればOK。

1時間足のMACDの状況


・買いを検討する場合:MACDがゼロライン上にあり、かつゴールデンクロスしている。
・売りを検討する場合:MACDがゼロライン下にあり、かつデッドクロスしている。

下図は、売りを検討する場合の1時間足の状況です。

4時間足と1時間足で条件が揃っていることが確認出来ました。以降、5分足でトレードするタイミングを探し出します。

③5分足でエントリーポイントを見つけるの上で最初に行うのは、SMA とEMAの状況確認です。

SMA及びEMAラインの並び


・買いを検討する場合:下から480SMA、青EMA、黄色EMA、80SMAであればOK。
・売りを検討する場合:上から480SMA、青EMA、黄色EMA、80SMAであればOK。


※移動平均線(EMA)

黄色と青いラインは、スキャルピング用に開発されたインジケーター『デイスキャFX』に標準搭載されている移動平均線(EMA)です。このトレードでは、このEMAラインも利用しています。

下図は、売りを検討する場合の5分足の状況です。

ここで、5分足のSMAとEMAの並びが揃った位置を確認します。

赤の点線部分で移動平均線の並びが4時間足、1時間足、5分足と、全ての時間軸でトレードする条件が揃っていると判断できます。

なお、解説の図は、取引方針が『売り』のケースをサンプルとして掲載していますが、買いのケースは、移動平均線の並びが逆をイメージしてください。

step
2
5分足でエントリーポイントを探す

トレードのポイント


このトレードは、4時間足、1時間足、5分足の条件が揃った後、5分足での最初の『押し』や『戻り』を狙って行います。

では、エントリーポイントを確認しましょう。基本的には指値を使います。

指値を入れる位置は、黄色いライン、青いライン、ピンクのラインの3本です。 この場合、黄色いラインからピンクのラインまで50pips以内を想定しています。

下は、売りのエントリーポイントの略図です。

指値は、黄色いラインとピンクのラインのレート差が幾らになるかによって、エントリーする本数やロット数を調整します。

また、指値は3本入ることを想定していますが、実際には2本、あるいは1本しか約定しないこともあります。

下図は、指値の指標となる移動平均線の間隔が狭いケースです。

たとえば、黄色いラインとピンクのラインのレート差が10pips~20pipsしかない場合は、青とピンクの2本、あるいはピンク1本など、ラインの並び状況によって変えていきます。

なお、エントリー時には以下の注意点があります。

注意ポイント


緑の線を越えた辺りで指値レートを検討する
指値レートを検討中に、黄色いラインを突破しても焦らない

1について

これは、経験上のことからですが、指値レートを早めに検討すると、実際のレートとの誤差が大きくなり数pipsの差で約定せず、そのまま上昇した(買いの時)、下落した(売りの時)、ということが起きます。

移動平均線の動きとローソク足の動きを細かく読む必要はありませんが、なるべく直近で検討した方が、指値の値に大きな誤差を生じさせないで済みます。

2について

これも経験上のことですが、緑の移動平均線を越えて検討をし始めた場合、上昇の勢いが強く、指値レートを確認中、あっという間に黄色い線を突破してしまうことがあります。

この場合、焦らずに成行でエントリーするか、青のラインで予定のロット数より多めに入れるなど、冷静に対応します。

成行でエントリーする場合について

なお、パソコンに張り付いてトレードする場合、指値ではなく成行でエントリーする方法もあります。

成行でエントリーする場合は、エントリーのタイミングを計るのに、移動平均線(黄色、青、ピンク)に加えて、RSIを活用します。

最初にRSIの設定方法です。

RSIのパラメーター


・期間:20(本)
・上限値:65(%)
・下限値:35(%)

通常の値とは違いますが、このトレードでは上記の設定です。タイミングが合わないと感じる場合は、お好みに合わせてもかまいません。

成行エントリーの目安

【買い】
ローソク足が、移動平均線(黄色、青、ピンクの何れか)を上からタッチした時に、RSIが35%を下回っている。

【売り】
ローソク足が、移動平均線(黄色、青、ピンクの何れか)を下からタッチした時に、RSIが65%を上回っている。

チャート図で確認しましょう。

買いのケース1

下のチャートは、買いのトレードです。

RSIによるエントリー方法(買いの場合)

赤丸の位置は、ローソク足が移動平均線の黄色と青に上からタッチしている様子です。ここでは、RSIが下限値の35%に達していませんので、エントリーを見送ります。

青丸の位置は、同じくピンクのラインに到達し、RSIが35%以下を示しています。このタイミングで買いのエントリーを仕掛けます。

買いのケース2

もう一ケース買いのパターンです。ケース1とは違って、ローソク足が急激な下落をしている様子が分かります。

急激な下落時のRSIの使い方(買い)

このケースも、黄色と青の移動平均線に位置(赤丸部分)ではエントリーを見送り、RSIが35%以下となったピンクのラインで買いエントリーを仕掛けます。

青のラインを突破した時点でRSIが35%以下を示した場合は、裁量でピンクまで引っ張るか、青でエントリーするかの判断が必要です。先のことは分かりませんので、このパターンは、難易度が高いです。

売りのケース

売りのケースは、買いと真逆です。エントリーの目安となる移動平均線にタッチした時点で、RSIが65%を上回っている場合に、売りエントリーを仕掛けます。

RSIによるエントリー方法(売りの場合)

赤丸の位置は、ローソク足が移動平均線の黄色と青に下からタッチしている様子です。この時点では、RSIが上限値の65%に達していませんので、エントリーを見送ります。

下は、青丸部分の拡大図です。

ピンクの移動平均線に到達している様子が分かりますが、この時点でRSIが上限値の65%を上回っています。ここで売りエントリーです。

成行エントリーのメリット・デメリット

成行で仕掛ける場合には、メリットとデメリットがあります。

メリット

指値でエントリーする場合と比べて、トレード全体で想定しているlot数を、より最適な位置に集中させられることです。

例えば、移動平均線の黄色で見送った分を青で倍にする。あるいは、黄色と青で見送った分をピンクに集中させるなどです。

デメリット

最初のエントリーポイントの目安となる移動平均線の黄色に到達し、RSIが上(下)限値に達していない場合でも、黄色、青のラインに反発して上昇(下落)する場合が少なくありません。

その場合は、トレードチャンスを逃すことになります。

下図は、豪ドル/NZドル(AUD/NZD)の5分足です。買いのエントリーチャンスを逃してしまった例です。

トレードチャンスを逃した例(5分足チャート)

左端の青丸部分では、RSIを目安に上手くエントリーできて利益を得ました。右側の赤丸部分は、トレードを見送りした部分です。

絶好の買い時に、RSIを理由にエントリーしなかったばかりに、30pips前後の利益をつかめるチャンスを、2度も見逃してしまいました。

もう一つの失念事例です。下図は、ポンド/円(GBP/JPY)の買いパターンですが、こちらも迷った挙げ句に見送り、大きな利益チャンスを逃しました。

このように、RSIに関係なく、指値で機械的にトレードすれば良い結果が生まれたというパターンは少なくありません。

どこでエントリーするのが最適かということは、訓練によって身につけるか、他の方法を見つけるか、あるいはインジケーターのパラメーターを研究するか、そういう必要性はあると感じます。

注意事項


5分足でのトレードは、あくまでも上位足である4時間足と1時間足の条件が揃っている場合のみ有効です。

上位足トレンドの調整局面で、トレンド方向に逆らわずに仕掛ける方法なので、5分足の移動平均線の並びのみで判断すると「逆張り」になることがあります。

以上が、指値と成行で行うエントリー方法でした。

step
3
損切り位置


ザックリ言うと、損切りは、ピンクのラインと少し離して置きます。少しというのは、20pips~50pipsなど、色々です。直近の高値や安値なども意識します。

黄色の線からピンクの線までのレート差が50pips以内を、トレードするかどうかの目安にしていますので、その時の状況で損切り位置を決めます。

step
4
利食い位置

永遠のテーマとも言うべき利食い位置ですが、筆者は非常に下手であると自覚しております。

ですから、参考程度にして下さい。例えば以下の通りです。

  • 5分足で直近の最高値(最安値)
  • ボリンジャーバンドの±3σ
  • MACDがデッドクロス(買いの場合)、ゴールデンクロス(売りの場合)
  • 満足したら、など。

5分足トレードのまとめ【トレードの流れ】

このトレード手法の「指値でエントリーする場合」の説明に利用した5分足チャートで、取引の流れを確認してみましょう。

4時間足、1時間足、5分足で移動平均線の条件を確認したうえで、5分足でエントリーポイントを見つけてからの様子です。以下の通りです。

1.エントリーポント

緑の線を越えてきて指値を検討できるチャンスが、これ以前に1度ありました。しかし、目標の指値ラインに届いていませんので、一旦リセットです(印部分)。

2度目のチャンスでは、指値3本に対して約定したのが2本です。

2.損切りポント

指値を入れる当初は、ピンクのラインから20pips~30pips程度離してセットします。

時間の経過と共に、約定しなかった指値を解除し、損切り位置も状況に合わせて移動します。

3.利食いポント

図に利食いの目安となるポイントを示しています。

  • 黒丸:直近最安値
  • 緑丸:-3σタッチ
  • 青丸:MACDのゴールデンクロス

以上が、このブログで採用している5分足トレードの概要でした。なお、全てがこのパターンで行っているわけではなく、上昇基調や下落基調が強めに出ている場合は、条件がパーフェクトに揃わない状況であってもトレードする場合があります。

取引口座について

このトレードでは、相場の状況確認に必要なインジケーターを紹介していますが、これらはMT4を利用しています。もちろん、MT4で取引も可能です。

MT4を相場分析に利用して、実際のトレードは普段使い慣れているFX口座を利用してもまったく問題ありません。

また、スキャルピングやデイトレードといっても、1日にトレードする回数は数回程度ですから、取引口座を厳選しなければならない、ということもありません。

とは言え、短期トレードでは、スプレッドやスリップがトレーダーを悩ませる要因になることもありますので、そういう点では利用口座を絞るという選択もあるでしょう。

そこで、以下のFX口座が候補になるでしょう。

MT4~相場分析用


FXTF MT4

FXTF MT4は、国内業者であるゴールデンウェイジャパンが提供しています。LINEによる質問も受け付けていますので、MT4を利用することへの敷居が一気に下がりました。

  • 取説は日本語/LINEでユーザー対応
  • スプレッドが狭い(米ドル/円:0.1銭など)
  • 最大55,000円キャッシュバック

FXTF MT4 公式サイトへ



短期売買向き


FXプライムbyGMO


約定しない、スリップして予想外のレートで約定してしまう、という心配がないのがFXプライムbyGMO。専業トレーダー、プロのトレーダーの利用が圧倒的に多いです。

  • スキャルピング歓迎
  • スリップなしの約定力
  • FXプロの利用者多数

FXプライム GMO 公式サイトへ



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  • この記事を書いた人
ごろちっぱ

ごろちっぱ

ゆったり為替氏に指導を仰ぎ、2014年からFXのスイングトレードを主体として実トレードを開始。2018年に短期トレードの師匠と出会い、デイトレ・スキャルピングを修行中。

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